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2026/05/15

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上越、正善寺ダム「今年、上越市は渇水対策できているのか?」

― 昨年の経験を力に変え始めた、上越市の今 ―

昨年、福田鉄工で発信したブログの中で、最も多く読まれた記事が「上越市の渇水」に関する内容でした。

正直、それだけ多くの人が“水”に関心を持っていたことに驚いたのを覚えています。

普段、水はあって当たり前。
蛇口をひねれば出るもの。
そんな感覚で生活していますが、昨年は多くの市民が「水のありがたさ」を
改めて実感した一年だったのではないでしょうか。

正善寺ダムの貯水率低下、節水要請、給水スポットの設置。
日常の中で当たり前に使っていた“水”が、実は多くの仕組みと支えの上に成り立っていることを、
多くの人が体感した夏でした。

ですが見方を変えれば、あの経験は上越市にとって大きな財産にもなったと思います。

なぜなら、実際に危機を経験したことで、「これからの時代、水とどう向き合うべきか」
を地域全体で考えるきっかけになったからです。

そして今年、上越市は昨年の経験を無駄にせず、確実に次へ進もうとしているように感じます。

「雪国だから安心」ではなくなった時代

これまで上越市は、

  • 冬に雪が降る
  • 山から豊富な水が流れる
  • 水不足のイメージが少ない

そんな地域として認識されてきました。

実際、全国的に見ても水資源に恵まれている地域であることは間違いありません。

しかし近年は、

  • 猛暑の長期化
  • 雨の降り方の変化
  • 少雨期間の長期化
  • 気候変動による自然環境の変化

など、これまでの“常識”が変わり始めています。

これは上越市だけの問題ではなく、日本全国で起きている変化です。

つまり昨年の渇水は、「上越だから起きた問題」というよりも、
“これから全国どこでも起こり得る時代”に入った象徴的な出来事だったのかもしれません。

そんな中で、上越市はどう動いたのか

昨年、上越市は決して何もしていなかったわけではありません。

むしろ限られた時間の中で、さまざまな対応を行っていました。

例えば、

  • 渇水対策本部の設置
  • 節水の呼びかけ
  • 給水スポットの設置
  • 消雪井戸の活用
  • 地下水利用
  • 休止施設の再稼働
  • 農業用水支援

など、地域全体でできることを一つずつ積み重ねていました。

特に印象的だったのは、“地域全体で乗り越えよう”という空気感です。

市民、事業者、農家、行政。
それぞれが「自分たちにできること」を考えながら行動していたように感じます。

これは上越らしい強さでもあります。

「断水しなかった」という事実

昨年、多くの人が不安を感じた一方で、結果として大規模断水を回避できたことは
非常に大きかったと思います。

もちろんギリギリの状況だったことは事実です。

しかしその中でも、

  • 市民の節水協力
  • 現場対応
  • 水運用の調整
  • 地域インフラの活用

など、多くの人の努力によって日常生活を守りました。

これは決して当たり前ではありません。特にインフラは、「問題が起きない時は見えにくい」ものです。
だからこそ、こうした危機の中で現場対応を続けた方々の存在は非常に大きかったと思います。

そして今年、上越市は“経験値”を持った

今年の大きな違いはここです。

上越市は一度、本格的な渇水危機を経験しています。

つまり現在は、

  • どこが弱点だったのか
  • どの対応が有効だったのか
  • 市民へどう伝えるべきか
  • どの水源が重要か
  • どの設備に課題があるか

を実体験として持っています。

これは非常に大きい。災害や危機管理は、「経験した地域ほど強くなる」と言われます。
もちろん理想は何も起きないことですが、経験を通じて地域の対応力が高まることもまた事実です。

特に見えてきた「水の分散化」

昨年の経験で重要視されたのが、“一つに頼りすぎない”という考え方です。

例えば、

  • ダムだけに依存しない
  • 地下水も活用する
  • 消雪設備を応用する
  • 複数ルートで供給する
  • 休止施設も有効活用する

など、“地域全体で水を支える発想”がより強くなったように感じます。

これは豪雪地域である上越だからこそできる可能性でもあります。

雪対策で整備してきた設備やインフラを、夏の渇水対策にも応用していく。

こうした柔軟な発想は、今後の上越市の強みになっていくかもしれません。

農業都市としての課題と可能性

上越市は農業が盛んな地域でもあります。

だからこそ、水問題は生活だけでなく地域産業にも大きく関わります。

昨年は農家の皆さんも大変な状況だったと思います。

一方で、

  • 地域内で水を融通し合う
  • ポンプ対応
  • 井戸活用
  • 情報共有

など、現場同士の連携も多く見られました。

上越は昔から自然と共に暮らしてきた地域です。

だからこそ、“自然の変化にどう適応するか”という知恵も地域の中に蓄積されています。

「完璧」ではなく、「前に進んでいる」

正直に言えば、全国的に見ても“渇水対策に完璧な自治体”はほとんどありません。

気候変動のスピードが速く、これまで想定していなかった事態が次々起きているからです。

だからこそ大切なのは、「問題が起きた後に、どう改善していくか」なのだと思います。
その点で見ると、上越市は昨年の経験を受け止めながら、一歩ずつ前へ進んでいるように感じます。

今後必要になるのは「地域全体での備え」

これから先、行政だけで全てを解決するのは難しい時代になるかもしれません。

だからこそ、

  • 家庭での節水意識
  • 企業の設備更新
  • 地域コミュニティの連携
  • 農業と生活インフラの協力
  • 災害時の情報共有

など、“地域全体で支える仕組み”がさらに重要になっていくはずです。昨年の上越市は、その第一歩を経験した一年だったとも言えるのではないでしょうか。

水を通して見えた「上越らしさ」

今回の渇水で改めて感じたのは、上越には“助け合う文化”が根付いているということです。

困った時に声を掛け合う。
情報を共有する。
できる人が支える。

こうした地域力は、数字では見えにくいですが、とても大きな価値です。

そしてこれからの時代、そうした“地域のつながり”こそが、インフラと同じくらい重要になっていくのかもしれません。

今年の上越市は、確実に去年より前を向いている

渇水リスクがゼロになったわけではありません。

ですが、

「昨年の経験を経て、地域全体の意識が変わった」

これは非常に大きな変化です。

昨年、福田鉄工のブログで最も読まれたのが“渇水”だったことも、地域の関心の高さを物語っていました。

それだけ多くの人が、「水」「暮らし」「地域インフラ」に対して真剣に向き合った一年だったのだと思います。

水を守ることは、暮らしを守ること。
産業を守ること。
地域を守ること。

上越市は今、その課題に真正面から向き合い始めているように感じます。

そしてその積み重ねが、これからの“強い地域づくり”につながっていくのではないでしょうか。