ブログ
BLOG
2026/04/30
ブログ
「新潟蚤の市」で感じたこと
本日も少しプライベートなお話をさせていただきます。
先日、国営越後丘陵公園で開催された、毎年楽しみにしている「新潟蚤の市」に行ってきました。ここ数年でどんどん規模が大きくなり、県内外から多くの人が訪れるイベントへと成長している印象があります。今年も例年通り、お昼過ぎを目掛けて向かったのですが、想像以上の来場者数で周辺道路は渋滞。結果的に予定より45分ほど遅れての到着となりました。

会場に入る前からその賑わいは伝わってきて、「ああ、今年もこの季節が来たな」とワクワクした気持ちになります。駐車場から会場へ向かう道中も、人の流れが絶えず、イベントの人気ぶりを実感しました。



会場に足を踏み入れると、そこには独特の空気感が広がっています。いわゆる“モノを売る場”というよりも、“価値観が交差する場”といった方がしっくりくるかもしれません。アンティーク雑貨、古道具、古着、ハンドメイド作品、海外から仕入れられた一点物など、ジャンルも背景もさまざまな品が並びます。
ひとつひとつのモノには、それぞれのストーリーがあります。誰かに使われ、役目を終えたはずのものが、別の誰かに見出され、再び価値を持つ。その循環がとても自然に、そして魅力的に成立しているのが、この蚤の市の面白さです。



正直なところ、時間が限られていたこともあり、今回は足早に全体を見て回る形になりました。それでも十分に感じられたのは、「自分はこういう世界観が好きなんだな」という再認識でした。
新品で整えられた空間ももちろん美しいですが、少し使い込まれた質感や、時を経た風合いには、また別の魅力があります。むしろ、その“完璧じゃない感じ”にこそ、人は惹かれるのかもしれません。

これは、私たちの仕事にも通じる部分があると感じました。
福田鉄工では、鉄という素材を扱い、製缶や溶接といった技術を通して、さまざまな製品をつくっています。鉄は無機質で冷たいイメージを持たれることもありますが、実際には非常に奥深く、加工の仕方や仕上げによって表情が大きく変わる素材です。
例えば、同じ図面から作られたものであっても、職人の手の入り方ひとつで仕上がりの印象は微妙に変わります。溶接のビードの美しさ、面取りの丁寧さ、仕上げの質感。それらは機械だけでは出せない、人の感覚が生み出す価値です。
蚤の市で感じた「一度役目を終えたものが再び価値を持つ」という考え方は、ものづくりの本質にも近いように思います。新しいものを作ることだけが価値ではなく、既存のものを活かすこと、長く使い続けられるようにすることも、同じくらい重要です。

最近では、サステナビリティや循環型社会といった言葉もよく耳にしますが、この蚤の市はそれを自然な形で体現しているイベントだと感じました。
また、今回特に印象的だったのは、県外ナンバーの多さです。関東圏や東北、さらには関西方面のナンバーも見かけ、「こんなにも多くの人がこのイベントを目的に集まっているんだ」と驚きました。
それだけ、このイベントには“人を動かす力”があるということだと思います。
そして、その背景には「好き」という純粋な気持ちがあります。古いものが好き、手仕事が好き、一点物が好き、空間が好き。その価値観に共感した人たちが、距離を越えて集まってくる。
これは、地域づくりやイベント企画においても非常に重要な視点です。単に規模を大きくするのではなく、「誰に、どんな価値を届けるのか」を明確にすること。それが結果的に、人を呼び込む力になるのだと改めて感じました。
弊社としても、上越という地域の中で、どういう価値を提供できるのかを常に考えています。鉄工という分野は一見するとニッチで、一般の方には馴染みが薄いかもしれません。しかし、建物やインフラ、設備など、私たちの仕事は日常のあらゆる場面に関わっています。



だからこそ、「見えないけれど重要な仕事」をどのように伝えていくかが大切です。
蚤の市のように、モノの背景やストーリーが伝わると、それだけで価値の感じ方は大きく変わります。鉄工の仕事も同じで、「ただの部品」ではなく、「誰かの役に立つために作られたもの」として見てもらえるような発信をしていきたいと感じました。
会場を歩きながら、気づけば1万歩以上。ちょうどいい運動にもなり、心地よい疲労感とともに帰路につきました。普段はデスクワークや現場作業が中心ですが、こうして外に出て多くの刺激を受ける時間は、とても貴重です。
仕事と直接関係がないように見える体験も、後から振り返ると必ずどこかで繋がってきます。今回の蚤の市も、単なる休日のお出かけではなく、自分の価値観や仕事への向き合い方を見直すきっかけになりました。

これからも、こうした“感覚を磨く時間”を大切にしながら、日々の仕事に活かしていきたいと思います。
そして、福田鉄工としても、ただ製品をつくるだけでなく、「価値を届ける会社」であり続けられるよう、これからも挑戦を続けていきます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
