ブログ
BLOG
2026/02/10
ブログ
雪がいらないと思った朝
朝5時。
目覚ましより先に目が覚めた。
理由はひとつ。
静かすぎる。
この静けさは、だいたいロクなことがない。
カーテンを、そっと開ける。
……白。
屋根も。
車も。
道路も。
昨日の努力も。

全部、白。
「……もういらない。」
これが、上越の冬である。
雪との心理戦は、起きた瞬間から始まる
まず積雪量を目で測る。
30センチ?
いや45?
あ、これは“ちゃんと重いやつ”だ。
天気予報は「平地でも積雪の可能性」と言っていた。
“可能性”とは。
ほぼ確定の婉曲表現ではないのか。
ニュースでは毎年
「今季最強寒波」と言う。
毎年最強なら、
もうそれが通常運転ではないか。
雪の日の鉄は、ちょっとだけ神経質
寒いと鉄は縮む。
ほんのわずか。
でも、わずかだからこそ怖い。
1ミリを甘く見ると、
1ミリに泣く。
だから雪の日は、いつもより確認が増える。
「もう一回見る?」
「うん、見とこう。」
手はかじかむ。
鼻は赤い。
息は白い。
でも、精度は落とさない。
雪がいらないと思っても、
仕事のクオリティは下げない。
そこは別腹である。
雪かきでわかる人間性
雪かきには性格が出る。
黙々タイプ。
仕切りたがりタイプ。
なぜかテンションが上がるタイプ。
やたら雪を遠くに飛ばしたがるタイプ。
そして必ず一人は言う。
「今日はあったかの食べたいなー。」
寒い日は、鍋になる。
雪は面倒だ。
正直いらない。
でも雪の日は、いつもよりちょっとだけ会話が多い。
「昨日どれくらい降った?」
「腰やばい」
「長靴どこいった?」
寒さの分だけ、距離が縮む。
これもまた、雪の副作用かもしれない。
雪がいらない瞬間ランキング
第3位:車のワイパーが埋まっている
第2位:除雪した直後にまた降り出す
第1位:屋根から“ドサッ”と落ちる瞬間
あの音は心臓に悪い。
やっと終わったと思った矢先に、
またゼロから。
雪はリセットボタンが好きだ。
人間は好きじゃない。
それでも、現場は止まらない
雪がどれだけ積もっても、
現場は動く。
配管も。
架構も。
タンクも。
止まれば困る人がいる。
だから出社する。
「いらない」と言いながら。
「もう勘弁」と言いながら。
でもちゃんとやる。
この“ちゃんとやる”は、
福田鉄工の当たり前だ。
派手じゃない。
目立たない。
でも、確実に積み上げる。
雪は積もるけど、
仕事も積もる。
ちょっとだけ思うこと
夕方。
除雪も終わり、
仕事も終わり。
ふと外を見る。
白い景色が、少しきれいに見える。
朝あれだけ「いらない」と言ったのに。
人間は勝手だ。
でも、雪があるから強くなる部分も、きっとある。
段取り力。
我慢強さ。
チームワーク。
そして、笑い飛ばす力。
できれば、もう少し軽めでお願いしたいけれど。
明日の朝も、
たぶんまたカーテンを開ける。
白かったら、こう言う。
「……もういらない。」
そしてスコップを持つ。
雪国の鉄工所は、今日も元気です。
