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2025/12/04
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工場のお掃除から見えてきた、福田鉄工の“大事にする力”
鉄の匂いがほんのり残る朝の工場。
シャッターを開けると、まだ機械も静かな空気が広がっています。
そんな一日の始まりに、福田鉄工が必ずやることがあります。
それが
「お掃除」。
ただの掃除じゃない、
“仕事の準備そのもの”と言っても良いほど、
福田鉄工にとって大切なルーティンです。
なぜ鉄工所で掃除がそんなに大切なのか?
工場には、鉄粉、削りカス、油…
モノづくりならではの“よごれ”が必ず生まれます。
放っておくと危険にもつながるし、
大切な図面も、仕上がった製品にも影響してしまう。
だから福田鉄工では、
「片付けができる職人は、仕事もできる」
という考え方をとても大切にしています。
実際、片付けが丁寧な職人ほど、
段取りも早く、品質も安定している。
これは昔から変わらない“工場の真理”なのだと思います。

ちょっとした変化に気づけるのも、お掃除の時間だから
毎朝のお掃除には、もう一つの役割があります。
それは、
「いつもと違う」を見つけられる時間
であること。
作業台のサビ、溶接機の配線のほつれ、
工具置き場の不自然な汚れ。
仕事に入ってしまうと見落としがちな小さな変化を、
掃除の時間なら自然と見つけることができる。
経験年数じゃなく、
“気づけるかどうか”が、安全を守る力になる。
それに気づけるのも、お掃除のおかげ。
「誰かがやる」ではなく、「自分がやる」空気
福田鉄工で好きな光景があります。
それは、
忙しいときでも、
誰かがサッと掃除道具を持つ姿。
注意されてから動くのではなく、
気づいた人が動く。
これができるのは、
普段から職人同士の声かけがあるからこそ。
「おーい、ここ油ついてるぞー」
「あとで掃いておくよー」
「タオルある? 拭いちゃうよ」
こんな会話が、ごく自然に流れている。
小さな積み重ねが、
工場全体を“居心地の良い場所”にしている気がします。
掃除は、職人の“気持ちの切り替え”でもある
仕事は集中力がすべて。
モノづくりは特にそう。
だからこそ、お掃除には
「気持ちをリセットする役割」があります。
朝の掃除は“今日のスタートの合図”。
夕方の掃除は“一日の仕事を締めくくる時間”。
工場では
「よし、終わろうか」
「今日も安全に作業できたな」
という実感がそこで生まれる。
この“一区切り”があることで、
次の日の仕事もまた、良いスタートが切れるのです。


掃除の時間に、若手が育つ理由
お掃除の時間は、実は若手にとって一番学びが多い時間でもあります。
掃除中の職人同士の会話は、
自然と“昨日の作業の振り返り”になったり、
“次の工程の段取り”の話になったりする。
「昨日のあの構造、こうした方が早いぞ」
「その材料の置き方なら、こっちの方が安全だよ」
こういう、小さなアドバイスの積み重ねが
若手の成長には欠かせません。
機械を動かすより、
溶接の技術より、
最初に身につけるべきは——
“現場を見る力”。
そしてそれは、
掃除の中でこそ鍛えられる。
これは福田鉄工が長年大事にしてきた
職人育成の文化です。
“福田鉄工らしい現場”はこうして作られている
工場がきれいだと、
気持ちがいい。
仕事がしやすい。
安全が保たれる。
でも、それ以上に
「この工場を大切に思っている人がいる」
という空気が伝わる。
お客様が来られたとき、
「鉄工所なのにきれいですね」
と驚かれることがあります。
でも、特別なことはしていません。
毎日のお掃除を、
毎日きちんと続けているだけ。
“続けられる力”こそ、
福田鉄工らしさなのかもしれません。
お掃除は、未来の福田鉄工をつくる作業
最後に、ふと思うことがあります。
もしかしたら「掃除」は、
“目の前の汚れを取ること”ではなく、
未来の現場の土台をつくる時間
なのかもしれません。
整理整頓ができる人が増えれば、
段取りが良くなる。
段取りが良くなれば、品質が上がる。
品質が上がれば、お客様に信頼される。
すべてはつながっている。
今日の小さなお掃除が、
未来の福田鉄工の大きな力になる。
だから、明日もまたみんなでほうきを持つ。
そんな会社であり続けたいと思います。
