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2026/02/16
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第二次カレーショックと、鉄工所の現場から見える「物価」の正体
2026年1月。
カレーライス1食の平均価格が370円台に到達する見通しだというニュースが出ました。
370円台。
数字だけ見ると「そんなものか」と思うかもしれません。
しかしこれは、現行基準で2015年以降初めての水準。
しかも「令和のコメ騒動」と呼ばれた2025年夏を上回る価格です。
いわば
第二次カレーショック”の始まりです。
今日はこのニュースを、
福田鉄工という地方の鉄工所の視点から考えてみたいと思います。

帝国データバンクより 出所
カレーが教えてくれる日本経済
なぜカレーなのか。
カレーは
・米
・野菜
・肉
・光熱費
・物流費
すべてを含んだ“総合物価のかたまり”だからです。
今回の値上がりの最大要因は、
やはりコメ価格の高騰。
コシヒカリをはじめ、単一銘柄米が
精米5kgあたり5000円超え。
数年前なら考えにくかった価格帯です。
カレーの原価のうち、
実は一番割合が大きいのが「ごはん」。
ライスが上がれば、
カレー全体が上がるのは当然です。
さらに――
・ジャガイモ
・タマネギ
・ブロッコリー
低温の影響で高値圏。
牛肉・豚肉も輸入品を中心に値上がり。
つまり、
すべてが上がっている。
これが本質です。

帝国データバンクより出所
実は、鉄も同じことが起きている
「カレーは分かった。でも鉄工所には関係ないでしょう?」
そう思われるかもしれません。
しかし、現場感覚で言えば――
まったく同じ構造が起きています。
鉄もまた、総合コストのかたまりです。
・鉄鋼原料価格
・電力価格
・輸送費
・人件費
・副資材(ガス、溶材、ボルトなど)
どれか一つではありません。
全部がじわじわ上がっている。
例えば――
溶接に使うガス。
電気。
消耗品。
昔は「誤差」だったものが、
今は無視できない金額になっています。
カレーのジャガイモが上がるように、
鉄工所では副資材が上がる。
カレーの米が上がるように、
鉄鋼材料が上がる。
構造はまったく同じです。
“370円台”が示す心理的インパクト
物価上昇には「心理の壁」があります。
300円台前半と
370円台では、
体感がまるで違います。
「高くなったな」と
誰もが実感するライン。
これが怖い。
なぜなら
心理が冷えると、消費が止まるからです。
企業の設備投資も同じです。
材料が高い。
金利も上がる。
先行きも読みにくい。
すると企業はこう考えます。
「もう少し様子を見よう」
この“様子見”が増えると、
地方の製造業はじわじわ効いてきます。
では、福田鉄工はどうするのか
物価は、私たちでは止められません。
しかし、
姿勢は選べる。
福田鉄工は
大手化学工場の専属鉄工所として
長年仕事をしてきました。
価格が上がる局面で
一番大切なのは何か。
それは
「信用」です。
価格が上がる時代は、
発注側も慎重になります。
「この会社に頼む価値があるのか?」
ここが厳しく見られる。
だからこそ、
・納期を守る
・図面通り以上の精度
・現場での対応力
・安全管理の徹底
当たり前を、
当たり前以上に積み重ねる。
これしかありません。
値上げ時代に残る会社の共通点
カレー屋も鉄工所も同じです。
値上げ時代に残るのは、
① 価格以外の価値がある
② 信頼が積み重なっている
③ 「あそこに頼みたい」と言われる
会社です。
安いだけでは選ばれない。
むしろ今は
“安心にお金を払う時代”に入っています。
圧力容器。
高圧配管。
大型架構。
ミスが許されない仕事だからこそ、
「価格」より「確実性」が重視される。
ここを磨き続けるしかありません。
第二次カレーショックは、序章かもしれない
2025年5月に一度話題になった
カレーショック。
そして今回、
さらに上回る水準。
これは単なる一過性でしょうか?
おそらく違います。
日本は今、
・エネルギー価格
・農業構造
・為替
・労働力不足
あらゆる構造問題の上に立っています。
つまり――
カレーは“象徴”にすぎない。
本質は、
構造的インフレです。
地方企業にできること
では地方企業はどうするのか。
悲観しても仕方がない。
できることは三つ。
① 生産性を上げる
② 技術力を高める
③ 人材を育てる
福田鉄工では、
・若手への溶接技術継承
・資格取得支援
・現場改善の積み重ね
地味ですが、
一番効く対策です。
物価が上がるなら、
付加価値を上げるしかない。
シンプルです。
それでも、カレーは食べたい
どれだけ値上がりしても、
カレーはなくならないでしょう。
なぜなら――
必要だからです。
鉄も同じ。
景気がどうであれ、
工場は動き続ける。
設備は老朽化する。
安全対策は必要になる。
つまり私たちの仕事は、
社会の“基礎”です。
カレーが家庭の基礎なら、
鉄は産業の基礎。
価格が上がっても、
価値は消えない。
価格よりも「中身」
370円台という数字に
驚く気持ちは分かります。
しかし本当に見るべきは、
「なぜ上がったのか」
「構造はどうなっているのか」
そして――
「自分たちはどう動くか」
福田鉄工は、
価格の波に振り回されるのではなく、
技術と信用を積み重ねる。
派手ではない。
目立たない。
でも、
確実に。
第二次カレーショック。
それは不安のニュースかもしれません。
しかし私たちにとっては、
足元を見直すきっかけでもあります。
今日も現場では、
鉄が火花を散らしています。
物価がどうあれ、
ものづくりは止まりません。
そしてきっと、
今夜もどこかで
少し高くなったカレーが
食卓に並ぶはずです。
その裏側にある
社会の動きを感じながら――
福田鉄工は、
今日も黙々と、
鉄を削り、
溶接し、
支え続けます。
以上、
現場からのブログでした。
