ブログ

BLOG

2025/11/13

イベント

ブログ

映画「火の華」舞台挨拶 上越開催

新潟で生まれた物語が、ついに故郷へ帰ってくる

2025年11月15日(土)、映画「火の華」の舞台挨拶が
J MAX THEATER 上越で開催される。
新潟県内各地で撮影された本作だが、その中でも特に“物語の心臓部”といえる
上越での舞台挨拶は、多くの映画ファン、そして地域の方々にとって
大きな意味を持つ出来事だ。

映画は、ただ映像が流れるだけの作品ではない。
そこには人がいて、暮らしがあり、土地がある。
「火の華」を形づくった背景には、新潟という土地で生きる人々の
姿勢や空気が確かに流れている。
そして今回は、その映画が“生まれた場所”へ凱旋する瞬間でもある。

舞台挨拶に登壇するのは、主演であり共同企画・脚本も務めた
山本一賢さんと、新潟県弥彦村出身の俳優田中一平さん
作品の裏側、上越ロケにまつわるエピソード、映画づくりに込めた
想いなどを直接聞ける貴重な時間だ。

映画「火の華」と“新潟で生きる人々”の物語

「火の華」は、派手なアクションや極端なエンターテイメントで魅せる映画ではない。
むしろ、静かで、深くて、重さがある。
人間の内側に宿る弱さ、揺らぎ、そして静かに燃え続ける想いを描いた作品だ。

その表現には、新潟という土地の空気が不可欠だったのではないかと思う。

新潟は、豪雪に耐える冬の厳しさ、海と山に囲まれた独特の静けさ、
そして人々の寡黙さの中にある優しさが特徴的だ。
言葉少なく、確かに積み重なっていく日々。
その中にこそ、人間のリアルがある。

山本一賢さんは過去のインタビューでこう語っている。

「新潟には、他の地域にはない“静けさの力”がある。
その空気を映画に宿したかった。」

登場人物の心の揺らぎ、苦悩、そして微かな希望。
それらは、新潟の風景の中に置くことで、より深く観客へ届くものになった。

上越ロケ① 福田鉄工

主人公・島田が働く鉄工所の“リアルな日常”が作品を支える

本作で最も象徴的なロケ地、それが上越市の福田鉄工だ。
主人公・島田が退官後に働き始める鉄工所として描かれ、作品の中でも重要な役割を果たしている。

撮影はドラマや映画でよくある「セット」ではなく、本物の現場で行われた。
現場で使われている機械、工具、職人たちの動き、建屋の佇まい。
そのすべてが作品世界の本物らしさを生み出している。

過度な演出を加えず、実際の仕事の動きや職場の雰囲気を活かした撮影は、
主人公の暮らしが現実に存在しているかのような力を持っている。

福田鉄工は、長年上越のものづくりを支えてきた企業だ。
製造、加工、溶接、鉄の扱い——
その積み重ねは地域を支えるインフラとも言える。

この企業がロケ地に選ばれたことは、単なる“撮影場所の提供”に留まらず、
上越という地域が持つ産業文化そのものが作品の一部として刻まれたということでもある。

地元の風景や企業の姿が映画に残ることは、
地域の歴史に新たなページが増えるような出来事だ。

なぜ映画は上越を選んだのか

“静けさの中の力強さ”が物語と共鳴した

地方で映画が撮影される理由はさまざまだが、
「火の華」が上越をロケ地として選んだ背景には、土地が持つ独特の“空気”が関係している。

上越には、都市部にない時間の流れがある。

・静かでありながら豊かな表情を持つ景色
・人々の誠実な働き方
・言葉よりも背中で語る文化
・厳しい自然と共に生きてきた歴史

これらは映画のテーマと深く共鳴し、作品の世界観を支える大切な要素となった。

ロケ地としての上越の魅力は「見た目の風景」だけではない。
そこに暮らす人々の姿勢や、地域が積み重ねてきた時間が、作品に深さを加える。

映画が土地を選ぶのではなく、
土地が映画を呼び寄せる。
「火の華」はまさにその象徴のような作品だ。

舞台挨拶が持つ価値

作品の“もうひとつの物語”が聞ける時間

舞台挨拶に登壇するのは以下の2名。

  • 山本一賢(主演/共同企画・脚本)
  • 田中一平(出演/新潟県弥彦村出身)

映画を観るだけでは分からない裏側や、
キャスト自身がどんな想いで演じ、
どのように作品が生まれたのかを知ることができるのが舞台挨拶の魅力だ。

● なぜこの脚本を書いたのか
● なぜ舞台を新潟にしたのか
● 福田鉄工での撮影で感じたこと
● 主人公の心情をどう表現しようとしたのか
● 新潟ロケで印象に残ったこと

これらの話は、作品理解が深まるだけでなく、
観客にとって“映画のその先”を感じられる貴重な体験になる。

映画を観た後に話を聞くと、シーンの意味が変わることもある。
「あの場面はそういう意図だったのか」
「この表情にはそんな背景があったのか」
そういった気づきが生まれ、作品への距離が一気に縮まる。

チケット販売について

舞台挨拶つき上映のチケットは、

11月13日(木)正午12:00
J MAX THEATER 上越 劇場窓口にて販売開始。

地元ロケ作品の舞台挨拶はとても人気が高く、
過去の例でも整理券が早期完売するケースは珍しくない。
確実に参加したい方は早めの来場が安心だ。

地域に映画がくる“意味”

― 映画は街を変える。人の意識も変える。

地方で映画が撮影されることは、観光効果だけでなく文化的価値も大きい。

● まちの景色が未来に残る

作品を見るたびに「ここ上越だ」と思い出すことができる。
地域の風景は映画という形で半永久的に残る。

● 若い世代が夢を見るきっかけになる

ロケ見学や映画制作を身近に感じた子どもたちが、
将来映像の世界を目指すケースも多い。

● 地元企業・地場産業の魅力が発信される

福田鉄工のように、
地域企業が映画の中で“文化として”刻まれることは大きな価値を持つ。

● 街の誇りが生まれる

「自分たちの街で映画が撮られた」という体験は、
地域に自信を与え、街全体の活気につながる。

映画ロケは、単なる撮影以上の意味を持っている。
文化としての影響、そして人々の感情に与える力が大きいのだ。

上越の風景、人、企業が映画を支えた。

そして映画が上越を照らす。

「火の華」は、静かで、深くて、重い。
それでいて、どこかあたたかい。
そんな作品だ。

その背景には、新潟、そして上越の風景と文化が確かに生きている。
主人公の揺らぎや希望が、土地の空気と重なり、物語に深さを与えている。

今回の舞台挨拶は、その映画が“どのように生まれたのか”を知る特別な時間だ。

映画を観る人
映画に関わった人
地域で暮らす人
そして、ものづくりを続けてきた企業の人たち

すべてが、この日つながる。

地元で撮られた映画が、地元の映画館に帰ってくる。
それは、地域にとって大切な文化の瞬間だ。

どうか、この特別な一日を見逃さないでほしい。
上越で生まれた物語が、あなたの心の中にも静かに灯るはずだ。