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2025/11/10
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物価高の時代を、上越の“暮らしの知恵”で乗り越える。
福田鉄工の社員が実践する「自給自足のすすめ」
最近、「物価が上がったね」という言葉を毎日のように耳にします。
ガソリン、電気代、食材、何を買うにも“前より高くなった”という実感がある。
製造業である福田鉄工でも、材料費や燃料費の上昇がじわじわと経営を圧迫しています。
けれど、そんな中でも私たちは、少し違う角度から「物価高に備える」方法を見つけています。
それは暮らしの中に「自給自足の力」を取り戻すこと。
野菜を“いただく”という、あたたかい循環
福田鉄工では、社員の中に家庭菜園をしている人が何人もいます。
仕事終わりに畑へ行き、土をいじりながら汗を流す。休日には、家族と一緒にじゃがいもを掘ったり、キュウリを収穫したり。季節の野菜ができると、「よかったらどうぞ」と袋いっぱいに持ってきてくれる社員さんがいます。

この“いただく”というやりとりが、社内ではちょっとした日常になっています。
トマト、ナス、大根と野菜が社内に並ぶと、「この大根、美味しいね」「このトマト、まるでフルーツみたい」と笑顔が生まれる。食卓の話題にもなり、社員同士の会話も増える。単なる“物のやり取り”ではなく、“人のつながり”が生まれているのです。
「うちは野菜買わなくても間に合うんだわ」
そう笑う社員がいます。その社員さんの家では、春は山菜、夏はナスやキュウリ、秋はキャベツ、
冬は白菜。四季と共に、畑が家計を支えてくれる。
こうした“自給のリズム”を持つ暮らしは、まさに物価高に強い生き方と言えます。
上越という土地が持つ“暮らしの力”
上越市は、海も山も田畑もある豊かな土地です。
この地域には、昔から「自分たちの食べるものは自分たちでつくる」という文化が根付いています。味噌を仕込み、梅を漬け、冬の保存食をつくる。魚を干し、雪室で保存する。そうした「暮らしの知恵」が、今また見直され始めています。
私たち鉄工業のようなものづくりの会社も、実は根っこは同じです。
“材料から形をつくる”という自立の精神は、まさに“暮らしの自給”に通じるもの。買うよりも、自分でつくる・直す・工夫する、その積み重ねが、経済的にも心の面でもゆとりを生みます。
上越地域は豪雪地帯です。冬になると、どうしても光熱費がかさみ、生活コストが上がります。
けれども、その冬を越える知恵を、地域の人たちはたくさん持っています。たとえば薪ストーブや灯油の節約術、雪を使った冷蔵・保存の工夫、地元の旬の野菜でつくるあったかい鍋。どれも、お金では買えない“地域の知恵”です。
「備える」という考え方
物価高の時代に必要なのは、「耐える」ではなく「備える」という発想です。
会社でも、家庭でも、地域でも、小さな備えを重ねることで大きな安心が生まれる。


福田鉄工では、社内でも「コストを見える化する」「エネルギーの無駄を減らす」などの工夫を続けています。
一方で、社員の暮らしを見ても、“買わない知恵”がたくさんあります。畑で野菜をつくる。保存して冬に食べる。無駄を出さない。もしかしたらそれは、AIやデジタルとは真逆の「人間らしい知恵」なのかもしれません。
とはいえ、自給自足は一人で完璧にやるものではありません。
“できる人ができる分をシェアする”ことで、みんなが助かる。畑の野菜を分けてもらい、お礼に鉄工所の端材で小さな棚を作ってあげる。そんな物々交換のような優しさが、この地域にはまだ生きています。
地域ぐるみの“助け合い”が、未来を支える
上越には、ものづくりも農業も観光も、すべてが近い距離にあります。
だからこそ、会社の垣根を越えて「暮らしを支える連携」ができる。
福田鉄工のような鉄工所が“野菜の話”をするのは一見不思議ですが、実はそれがこの地域らしさなのかもしれません。
「福田鉄工らしい備え方」
物価が上がるたびに、不安になるのは当たり前です。
でも、上越で暮らす私たちは、もともと“備える力”を持っている。雪と共に生き、自然と向き合い、
手を動かしてつくる力。
それが今こそ、私たちの強みになると思います。
畑の野菜を食べながら、「これも仕事の一部かもしれないね」と笑う社員の姿を見ると、
“ものづくり”も“暮らしづくり”も、根っこは同じなんだと感じます。
福田鉄工は、鉄を通して地域を支えながら、暮らしの知恵も大切にしていきたい。
上越の未来を、手のひらから少しずつ、耕していくように。
