ブログ
BLOG
2025/10/29
ブログ
モノづくり業界に向いている人の特徴ベスト7
「向き不向き」は才能より“習慣”だった。
こんにちは。福田鉄工です。
「モノづくりの仕事って、どんな人が向いているんですか?」と、
求人の問い合わせでよく聞かれる質問があります。
面接でも「手先が器用じゃないとダメですか?」「経験がないと不利ですよね?」と、
少し不安そうに尋ねられることもあります。
けれど実は、モノづくりに“天才的な器用さ”なんて、ほとんど必要ありません。
(もちろん器用なら嬉しいですが…)
必要なのは、もっと“日常的な感覚”だったり、ちょっとした習慣だったりします。
今日は、これまで数多くの職人・技術者を見てきた中で感じた
「モノづくり業界に向いている人」ベスト7
を、少しゆるい感じで書いてみたいと思います。
読みながら、「あ、これ自分かも」と思ったら、案外向いているのかもしれません。

第1位:細かいところが気になる人
人から「几帳面だね」と言われるタイプ。
カバンの中が整理されていたり、スマホアプリをフォルダ分けしていたり。
鉄工の仕事は、基本的に“ズレ”との戦いです。
数ミリの誤差が、製品の精度を大きく狂わせることもあります。
もちろん最初から完璧じゃなくていいのですが、
「なんかここ、気になるな…」という“違和感アンテナ”を持っている人は伸びていきます。
ちなみに、こういう人は「片づけが早い」傾向もあります。
工場の作業スペースがキレイな人は、技術もだいたいキレイです。
第2位:コツコツ積み重ねるのが苦じゃない人
職人の世界には、派手さはあまりありません。
目に見える成長より、“つみき”のように地味な積み重ねの連続。
たとえば溶接。
最初は真っ直ぐに溶接ビードが引けず、くねくねします。
ですが、毎日少しずつ練習していると、気が付くとまっすぐになっている。
「今日何か、ひとつできた」
そう思える人は、自然と上達していきます。
逆に、派手な結果をすぐに求める人は向いていません。
これは悪い意味ではなく、性格の相性の問題なのです。
第3位:気持ちよく“聞ける”人
「質問できる」=「弱さを認められる」
これはとても強いスキルです。
熟練の職人は、聞かれたらだいたい丁寧に教えてくれます。
(職人気質=無口というイメージは、もう過去の話です)
「また同じこと聞いていいですか?」
「ここ、なんでそうなるんですか?」
こう言える人は、めちゃくちゃ伸びる。
逆に、分からないまま突っ込むと、あとでドカンと手戻りが来ます。
うちでも、不具合は大体「聞かなかった勇気」から生まれます。

第4位:モノの構造に興味がある人
子どものころ、分解したくなったタイプ。
(親に怒られた経験、ありますよね…笑)
「どうなっているんだろう?」
「なんで動くんだろう?」
この好奇心は、図面理解に直結します。
図面は“モノの設計図”。
線や数字を追うだけじゃなく、その裏にある意図・目的を想像する力が必要です。
“なんとなくイメージできる”人は、強い。
第5位:道具を大切に扱える人
モノづくりの世界は、道具と仲良くする世界です。
・トンカチの柄の握り方
・スケール(メジャー)の戻し方
・溶接トーチの休ませ方
こうした小さいことの積み重ねが、品質に繋がります。
道具を雑に扱う人は、仕事も雑になりやすい。
逆に道具を愛せる人は、ものづくりにも愛を注げます。
工場でヤスリがピカピカな人、大体レベル高いです。
第6位:“向上心”より“改善心”がある人
“向上心”は抽象的ですが、“改善心”は具体的です。
・もう少し早くできないかな
・もっと楽な方法ないかな
・この配置、ちょっと動線悪くない?
こうした小さな改善は、生産性を大きく変えます。
町工場は、日々の改善で強くなる。
完璧じゃなくてもいい。
「昨日の自分より1%良くなる」
その積み重ねこそ、プロフェッショナルです。
第7位:人のために動ける人
鉄工はチーム戦。
溶接・曲げ・切断・組み立て…
どれかが止まると、全体が止まります。
「次の人がやりやすいように置こう」
「邪魔にならないように片付けよう」
そういう“気遣い”は、技術以上に評価されます。
逆に「自分の工程だけできればOK」という姿勢は、長続きしません。
番外編:意外と“音”が気になる人
これは経験上の話ですが…
・機械の異音に気付く
・溶接音の違和感を聞き分ける
・工具の摩耗音に敏感
こうした感覚の鋭さは、熟練者の特徴です。
普段から周囲の音に気づく人は、案外向いてたりします。
(これはほんと、なぜか当たります…!)
特別な才能はいらない。必要なのは、“日常の癖”
今日あげた特徴をまとめると、
- 細部に気づく
- コツコツが苦じゃない
- 聞く勇気がある
- 構造に興味がある
- 道具を大切にできる
- 小さな改善に燃える
- チームで動ける
こうして見ると、“性格”よりも“習慣”ですよね。
逆に言うと、習慣は変えられる。
だから、最初から完璧じゃなくていい。
うちにも、最初は不安そうに入ってきたスタッフがいます。
けれど今では、後輩に丁寧に教える頼もしい先輩になりました。
「向いている」より「向かっていける」か
最後に、ひとつだけ。
モノづくりは、向いているかどうかより、
好きになれるかどうかが重要です。
・形になる喜び
・仲間で作る達成感
・お客様の声
・地域のイベントに出る楽しさ
こうした“小さな嬉しさ”にワクワクできるのなら、
あなたはきっと、モノづくりに向かっています。
手を動かす仕事が好きなら、きっといつか技術は追いつく。
福田鉄工は、そんな“これからの職人”と出会いたい。
もしこの記事が、モノづくりの背中をそっと押せたなら、嬉しく思います。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
(今日はちょっと長くなりました…。書いてたら筆が乗ってしまって…笑)
