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2025/10/20

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すっかり秋らしくなってきました!

朝晩の空気がぐっと冷たくなり、街を歩く人の服装もすっかり長袖に変わってきました。
ついこの間まで「暑いですね」が合言葉だったのに、気づけば息が白くなる季節の足音が
近づいています。
テレビをつけると、冬タイヤやストーブのCMも増え、いよいよ“冬支度”を意識する時期に
なってきました。

上越の秋は短く、気づけば雪の便りもあっという間。
その“ほんの一瞬の秋”を感じながら、福田鉄工の工場も慌ただしく動いています。
朝の空気はひんやりしていても、工場の中は今日も鉄を切る音と溶接の光で熱を帯びています。

工場内は、今がまさに「フル回転」

現在の福田鉄工は、工場内が本当に「ところ狭し」という状態。
大小さまざまな鉄材や加工物が並び、職人たちがそれぞれの持ち場で黙々と作業しています。
グラインダーの音が響き、火花が散り、職人が行き交う。
まるで音と光でできた工場のリズムが、1日のはじまりを告げているようです。

この時期は、取引先の工事案件や設備補修などが集中し、図面確認や製缶、組立、搬入などが
次々に重なっていきます。
「次の段取りは?」「こっちの加工、終わったか?」と声を掛け合いながら、チームで息を
合わせて進めていく。
現場の温度は、まるで季節とは逆に上がっていく一方です。

「急ぎながらも、丁寧に」

忙しい時期こそ、基本を大切に。
福田鉄工の現場では、この言葉がいつも合言葉のように聞こえます。
スピードと品質。その両立は簡単ではありません。
しかし、納期に追われながらも、図面通りに正確に仕上げること。
そして、納品先で“安心して使えるもの”を届けること。
その一つひとつが、信頼につながっています。

鉄は嘘をつかない素材です。
わずかな誤差も、後の組立で響くことがある。
だからこそ、職人たちは一本の溶接、一枚の鋼板にも、慎重に、真っ直ぐに向き合います。
「これでいい」ではなく、「これがいい」と思える仕事を重ねること。
それが福田鉄工のものづくりの基本姿勢です。

冬が来る前に、もうひと踏ん張り

上越の冬は長く、そして厳しい。
雪が降り始めると、屋外での作業や搬入のスケジュールにも大きく影響が出ます。
だからこそ、10月から11月にかけては、現場全体が「冬前のラストスパート」モードに入ります。

屋外の設備据え付けや大物の搬出入は、この時期が勝負。
少しでも天気が崩れると作業計画を組み直す必要があり、空とにらめっこの日々が続きます。
それでも、「なんとか晴れ間を狙って仕上げよう」と、チームで柔軟に対応しながら乗り越えていく。
そんな対応力こそ、福田鉄工の強みでもあります。

秋晴れの日には、工場のシャッターを開けると、澄んだ空気の向こうに妙高山の稜線がくっきり
見えます。
その景色を横目に、黙々と鉄と向き合う職人たち。
この地域で働くことの誇りと、自然と共に生きる実感がそこにあります。

日々の工夫とチームワーク

現場で働く職人たちは、ただ図面通りに鉄を加工するだけではありません。
より効率的に、安全に、そして美しく仕上げるために、日々さまざまな工夫をしています。
治具を自作したり、溶接順序を工夫したり、搬入経路を現場ごとに最適化したり——。
そうした改善の積み重ねが、福田鉄工の品質を支えています。

ベテランと若手の連携も、この時期ならではの見どころです。
現場の熱気の中で、若手がベテランに図面を見せながら相談する姿。
「ここ、もう少しこうした方がいいぞ」と声がかかる瞬間。
それはまるで、現場そのものが“学校”のよう。
鉄工の世界では、経験こそが最大の教科書です。

鉄の仕事は、人の暮らしを支える仕事

福田鉄工が手がける製缶や設備工事の多くは、一般の人の目に触れることはありません。
けれども、その一つひとつが、誰かの安全や生活の便利さを支えています。
工場の設備、地域のインフラ、店舗の構造物。
見えない場所で、確かにこの街を動かしているのが“鉄の力”です。

私たちの仕事は、派手ではありません。
でも、確実に誰かの「当たり前」を守っています。
鉄を通して、人の暮らしに安心と力を届ける。
それが、福田鉄工の誇りです。

季節は確実に冬へ向かっています。
冷たい風の中にも、どこか清々しい空気が漂うこの季節。
福田鉄工は、今日も鉄と真っ直ぐに向き合いながら、
「より良いものを」「より確かなものを」届けるために動き続けています。

次の季節の準備が始まる今こそ、現場が一番熱い時期。
その熱と共に、これからも地域のものづくりを支えていきます。